入居一時金の初期償却とは

有料老人ホームにおいて入居一時金の初期償却というものがあります。

終のすみかとして有料老人ホームに入居したものの、老人ホームのマイナス面が大きく感じられ、どうしても有料老人ホームを出たいと思った場合、契約書に従い返還金は戻りますが、著しく目減りしてしまいます。

この問題は有料老人ホームの入居一時金の初期償却の割合が大きいことにあります。初期償却は全体金額の15〜20%で、入居と同時に返還対象から外されてしまいます。

例をあげて説明すると、償却期間15年、初期償却20%、4000万円を支払って有料老人ホーム入居し、2年後に退去した場合、戻ってくる金額は2784万円となります。

4000万円から、初期償却(800万円)と2年分の償却費(416万円)が引かれます。その後は毎年208万円ずつ返還金は減っていき、15年経つと有料老人ホームの返還金はゼロとなります。

このようなことから途中で有料老人ホームを出ることは、簡単な話ではありません。入居者は経済的にも心理的にも自由な選択や行動ができなくなってしまいます。

初期償却なしの均等返還方式を国に義務づけてほしいものです。

なお、上記の有料老人ホームの例での入居金返還の計算式は次のようになります。

入居一時金 X 0.8 X ((180ヶ月−入居経過月数)/180ヶ月)

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